職業ドライバーが万が一の交通事故で死亡や後遺症、仕事を休まないといけない怪我や病気になった場合は、様々な保険で保障されます。
しかし、配偶者やお子様など残された遺族が安心して生活できる金額が保障されるとは限りません。
自動車保険や労災保険に頼るだけではなく、職業ドライバー自身も生命保険へ加入して遺族への手厚い保障のある状況を作っておきましょう。
業務中における交通事故で死亡した場合、相手の車両に過失が少しでもあれば相手車両が加入している自賠責保険および任意保険の対人賠償で補償される流れです。
年齢や収入、家族構成などによって賠償額は変わりますが、死亡事故の慰謝料は一家の支柱で2,000万~2,800万円が相場です。
自損事故の場合は運転していた車両で加入している自動車保険の人身傷害もしくは搭乗者傷害から被害事故と同等程度の保険金が出ます。
業務中の事故は労災保険の対象ですが、交通事故の場合は自動車保険による補償と重複して労災の補償を受けることができません。
加害者が無保険だった場合や自損事故で支払われる保険金が少ない場合は、本来支払われるべき金額を補填する形で労災からも保険金が支払われます。
職業ドライバーが業務中に事故を起こしても、保険の2重取りができず通常通りの金額しか受け取れないことを覚えておきましょう。
一例として年収500万円の職業ドライバーが40歳で死亡した場合、最低でも60歳までの20年にわたって働く収入を失うことになります。
単純計算で生涯収入を1億円も失う計算になり、自動車保険などによる慰謝料(賠償金)だけでは足りません。
昨今は65歳や70歳以上でもフルタイムでバリバリ働く職業ドライバーが増えていて、職業ドライバーが死亡すると遺族は大きな損失が出ます。
また、重度の後遺障害が残ってしまった場合は莫大な医療費がかかり、慰謝料が支払われても困窮するケースが多いです。
万が一の事故でも遺族へ手厚い保障があるように、生命保険などへ加入しておくと安心です。
掛け捨てタイプの生命保険であれば保険料を安く抑えられます。
それでも1億円など高額な金額設定にすると掛け捨て保険でも年間30万円以上の保険料になります。
ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談して、収入や家族構成などに応じたプラン選定をするとよいでしょう。
老後の資産形成に備えて終身保険と掛け捨て保険を組み合わせる方法もおすすめです。
職業ドライバーは病気や怪我で働けなくなると給料が大幅に減ってしまうケースがあるので、収入保障保険への加入も検討してみてください。
長距離ドライバーの場合は病院へ行く時間がない理由から病気になるリスクが高めです。
生命保険だけではなく医療保険への加入も検討して、様々なリスクに備えておくようにしましょう。
職業ドライバーにおすすめの保険商品が交通事故傷害保険です。
保険金が出る条件を交通事故やその他の傷害による怪我・死亡などに限定することで保険料を安く抑えられます。
傷害保険は生命保険会社ではなく損害保険会社が扱っているケースが多いです。
大企業勤務の場合は団体割引で安く交通事故傷害保険に加入できる場合があります。
勤務先を選ぶ際は保険の団体割引制度など福利厚生を確認しておくとよいでしょう。
ただし交通事故傷害保険は、代理店型損保会社の団体割引より通販型保険の方が安い場合があります。
職場で用意している保険の有無に関わらず、複数社から見積を取って比較してみるとよいでしょう。